スタッフの人生も、介護の仕事も、より良く変えていける会社へ
「この事業は勝負できる」と確信した
「友乃家」はもともと、母がつくった小さな介護会社でした。当時の私は介護の仕事にさほど興味はなかったのですが、あるとき母の働く姿を見る機会があり、そのサービスのきめ細かさに衝撃を受けたんです。同時に、「この事業は絶対に勝負できる」という直感が働き、介護の仕事に関わることを決めました。私がまず考えたのは、スタッフの給料をもっと高くできないか、ということでした。具体的には年収700万円以上。そのためには、まず売上アップが不可欠でした。当時の友乃家は9床の住居型有料老人ホームしか運営していなかったため、新たに訪問介護事業をスタートさせたんです。最初はうまく行かないことばかりでしたが、現役員で、豊富な介護経験を持つ水野が入社してくれたことで、少しずつ訪問介護の仕事が増え、売上も伸びていきました。
人として成長できる会社を目指して
設立から現在まで、長年にわたり課題に感じていたのが、人材育成でした。私自身、社会人として働いた経験がほとんどなく、「人を育てる」というノウハウがなかったことが主な原因です。現在は、経営コンサルタントの浜口直太氏と二人三脚で作成したキャリアパスの運用をスタート。どのようなステップを踏めば昇格できるかを明確にし、また、働きながら自然に成長できる環境を整えています。また、私たちの取り組みの中でユニークだと言われるのが勉強会です。通常、この業界の勉強会といえば、介護に関する技術や知識を共有することが一般的。しかし私たちは業務に関する話はほぼせずに、毎回まったく別のテーマを掲げます。介護は答えのない仕事。だからこそ、スタッフには幅広い考え方や視点を知ってもらい、豊かな人間性を身につけてほしい。それが結果的に、利用者さんや会社からの評価につながると信じています。まだまだ試行錯誤の繰り返しですが、友乃家に入ってから「人生が大きく好転した」と感じてくれている人もいて、とても嬉しく感じています。
介護業界の成功モデルになりたい
介護業界は現時点でも需要と供給のバランスが取れておらず、また今後はサービスに対する要求もますます厳しくなっていくことが予想されます。そんな中で私たちがやるべきことは、立場の弱いスタッフを守りながら、強いリーダーシップを発揮できる人材を育成することだと考えています。私の夢は、たとえ小さなかたちでも、友乃家を介護事業の成功モデルの一つにすることです。そうすれば、同業者にも良い影響を与えることができ、ひいては日本の介護事業全体が変化するためのきっかけになれると信じているからです。若い人が働きたくなる、憧れられるような業界に、私たちが変えていきたいですね。